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2020 / 02 / 01  00:00

ローマ教皇様にお会いしました

ローマ教皇様にお会いしました

去る11月25日に東京で、ローマのバチカンから来日されていたキリスト教カトリック最高指導者、フランシスコ教皇さまとお会いし、原発震災の証言をさせていただきました。
 この背景には、原町カトリック教会の幸田司教様はじめ、毎回清掃結いに参加してくださっているカリタス原町ベースのみなさまの推薦とお力添えがありました。たいへん貴重な、すばらしい機会をいただきまして、心より感謝しております。

 限られた短い時間の中で、何をどうお伝えしたら良いのか、たいへん悩みました。何度も何度も原稿を書き直して、削って削って与えられた時間ギリギリ2分の証言ができました。

 内容は2つの柱から出来ています。
 1つ目は、「私たちは被害者であると同時に、加害者でもあるということ」。まず始めに、この反省がないと前に進みません。進めません。進んだように見えたとしてもそれは偽善です。

 2つ目は、「私たちは地球の一部、環境の一部であり、すべての生きものたちの存在が複雑に、かつ密接に関係しており、究極的には「私は無く」存在するのは「私たち」であり、それは一つであること。その意識の目覚めが必要不可欠であること」

 当日、とても美しく温かな雰囲気の中、良い緊張感で壇上に登らせていただきました。反響も大きく、発信していくことの大切さを再認識しています。みなさまが喜んでくださったことが、私にとっては一番嬉しかったことです。

  

 

以下、証言(スピーチ)の全文です。
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本日はこのような機会をいただきまして、ありがとうございます。

 私の住んでいた所は、地域のシンボル的なお寺です。
場所は原発から北西に約十七㎞の所にあります。

 農業と漁業が盛んな、自然豊かなのどかな場所でした。
多くの人々は三世代、四世代が同居して住んでおり、先祖から伝わる歴史と文化を大切にしていました。
町には千年続くといわれる神事、相馬野馬追いがあります。

 私たちは、受け入れ難い厳しい現実の中で、一時は途方に暮れました。しかし、やがて少しずつではありますが、立ち上がり、現実を受け止め、歩み始めています。そして便利な時代の恩恵を受けて生活してきたこと、つまり「被害者であるが、同時に加害者でもある」ことを自覚し、反省しています。

 原発の問題のみならず、天変地異や異常気象、海洋汚染などの環境問題、戦争、難民、食糧、経済格差や心の荒廃等の大きな問題を、如何に自分の問題として捉えるか。謙虚さを保ち、正しく理解し、反省すべきところは素直に反省すること。そして何より大切だと思うことは、地球の声を聞くことです。
私たちは地球の一部、環境の一部です。
りんごの樹に例えるなら、一人ひとりが果実だとすると、地球は樹木です。その果実から樹木への意識の目覚めが必要です。樹木こそが私たちの本性です。果実から樹木へ意識が覚醒すれば、毛虫が蝶になるように変化が起こり、問題はひとりでに解決されてゆくと思います。

 私たちは今、生き方を問われています。
成長から、成熟へ。自らが変化の一部になりましょう。

ありがとうございます。  合掌

 

当日の様子をYouTubeで見ることができます。↓

https://www.youtube.com/watch?v=JoCNVJfRDgU&t=2243s